大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和33(オ)1030 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人和久井宗次、高野春寿の上告理由第一、第二について。

原判決はその挙示の証拠にもとづいて、旧D株式会社は昭和一八年九月一〇日の

解散の決議に基き清算手続に入り、おそくも清算人が清算事務の完了を報告した昭

和二一年二月二一日当時にあつては、タオルの製造、加工に関する全営業を廃止し

たものと認定したのであるが、原判決の右判旨はその説示するところに従つて、首

肯し得るところであつて、この点を攻撃する論旨は、ひつきよう、原判決のした事

実の認定を非難するに帰着し、採用することはできない。従つて、所論乙商標権は、

昭和二五年三月七日、上告会社がこれを旧Dから譲り受ける以前に、商標権者たる

旧Dの営業の廃止に因り商標法一三条の規定により既に消滅していたものであるか

ら、上告会社の主張する右商標権の譲渡は効力を生じないとした原判決の判断は正

当である。(前示清算事務完了の報告せられた昭和二一年二月二一日から、昭和二

五年三月七日上告人が右商標権を譲り受けるまでの間には四年の歳月を経過してお

り、その間同会社において営業開始の決議をした等の事実のないことは本件におい

て争のないところであつて、右譲渡前乙商標権が消滅したことは明瞭である。)た

とえ商標原簿における商標権の登録が抹消されていないとしても、営業の廃止に因

り商標権が消滅したことを裁判所が判断し得ることは勿論である。(上告人は、な

お、原判決が登録商標を引用しての拒絶査定に対する抗告審判又は登録無効の審判

事件等において、商標権者の営業の廃止による商標権の消滅が争点となつた場合に

は、審判官は証拠調の結果により右事実の有無を認定し、これによつて請求の当否

について判断しなければならない旨判示した点を攻撃するけれども、この点に関す

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る原判示は正当であつて、所論は独自の見解に過ぎず、とることはできない。)

同第三について。

所論原判示は清算人Eが、判示織機復元割当の申込をしたとしても、それは清算

の目的の範囲内とは云えないから、これをもつて清算会社の意思にもとづくものと

することはできないというに過ぎない。右の原判示をもつて前掲営業廃止の事実の

認定と矛盾するものということはできない。論旨は理由がない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 池 田 克

裁判官 河 村 大 助

裁判官 奥 野 健 一

裁判官 山 田 作 之 助

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